2015年02月19日
私はただ 感心してばかりいたけれど
もしかして先生も
私と同じような言葉を
言われたことがある人なのかな
時は昭和初年、処は九十九夜町。
“推理とハッタリ”で事件を解決し、頭は切れるが超貧乏探偵の祝 左右馬(いわい そうま)と、その助手となった、 “人の嘘を聞き分ける能力” を持つ少女、浦部 鹿乃子(うらべ かのこ) 。
貧乏暮らしの祝探偵事務所の二人が出会った事件と、鹿乃子の成長を描いた人気作、『嘘解きレトリック』(花とゆめコミックス) 最新4巻をご紹介します。
1巻分をまるごと使って長編事件を描いた前巻とは異なり、今回の第4巻ではスペシャルショートが満載!
過度な妄想のあまりいつも暴走気味な少女・藤島 千代の探偵事件簿から、孤島で起きた殺人事件まで、バラエティに富んだ内容となっています。
なかでも個人的に特にオススメしたいお話が、左右馬の友人・端崎 馨(はなさき かおる)に関するエピソードです。
なかなか来ない仕事の依頼を自分達から積極的に取りにいこうと、馴染みの店を巡ってビラを張り、宣伝活動に勤しむ鹿乃子。
いまいちやる気がない左右馬を叱咤激励しつつ歩いていると、何やら前方にある店の軒先で、店主とある男性が揉めている場面に遭遇します。
そこにいたのは鹿乃子にとっても馴染みの深い、左右馬の友人・端崎でした。
揉め事の内容を知り、状況を把握した左右馬は持ち前の推理力で店主からあらぬ疑いを受けて困っていた端崎をあっという間に救出!
端崎はそのお礼にと、今晩左右馬と鹿乃子に鰻を奢ることを約束します。
ところが、その日いくら待っても祝探偵事務所に端崎は現れず……。
約束をすっぽかし、連絡もよこさずに行方をくらました端崎。
生真面目で礼儀を重んじる性格の端崎がこんな行動を取るなど普通では有り得ない、もしかすると連絡すらできない事態に陥っているのかもしれない――そう推理した左右馬は、端崎の足取りを追い、捜索を始めるのですが……。
左右馬と端崎。
自由奔放な左右馬に対して、真面目な端崎。
一見、対照的に思えるふたり。
そんなふたりが何故長年友人関係にあるのか。その根底にあるものがこのエピソードで明らかになります。
左右馬と端崎の間にあるものを知った鹿乃子。
この事件を経て、またひとつ成長する彼女の姿もお見逃しなく!
(評:ラノコミどっとこむ編集部/やまだ)