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KADOKAWA / アスキー・メディアワークス





2012年12月26日

ライトノベル
インタビュー

2008年に『十三歳の郵便法師』で第13回角川スニーカー大賞奨励賞を受賞、デビュー作となった『R-15』(スニーカー文庫)は11巻まで刊行され、2011年7月にはアニメ化もされた気鋭のラノベ作家・伏見ひろゆきさん。

2012年12月1日に発売した『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』は、伏見さんにとってデビュー2作目の新シリーズ!



かつて、初恋の相手に裏切られ、引きこもっていた主人公の夜空翔(よぞら・かける)は、「人はネットでこそ本性を現わす…だから俺は、ネットで運命の恋人を見つけ出す!」と決意し、学内のピュアな男女が集まるSNS「ピュアランド」を作ってしまう。現実世界では中二病でコミュ障扱いされる翔だが、「ピュアランド」ではモテモテ。しかし、それは翔にとって不本意なことだった。なぜなら、たった一人の運命の恋人を探すために「ピュアランド」を作ったからだ。
ある日、校内一の美少女である美紅と「ピュアランド」の話題で仲良くなる。さらに、再会した初恋の相手・雪奈や翔を放っておけない“リア充”の渚、いつもつるんでいる歩貴らを巻き込み、リアルとネットを行き来した翔の“運命の恋人探し”が幕を開ける。
物語の展開も含めて、想像の斜め上を行く恋愛ギャグコメディだ。

今回は新シリーズスタートということで作者の伏見ひろゆきさんにロングインタビューを敢行。お話をうかがった。


■運命の恋人を探すためにSNSを開発!? 破天荒な物語の原点とは?

―新シリーズ『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』、第1巻を出版されて読者の皆さんからの反応や手ごたえはいかがですか?

伏見ひろゆきさん(以下省略)「この物語の中で一番癖が強いキャラクターは、なんといっても主人公なんですが、『好きなノリの話だった』というお言葉もいただいています。本名登録が必要な某SNSは、元々出会いや恋愛が前提で開発された部分があるそうですが、その開発者の方も結構独特なお人柄だったようです。そういった、少しズレた部分、普通とは違った部分に情熱を傾けた主人公を楽しみながら読んでいただければ嬉しいですね」

―「あとがき」にも書かれていましたが、MMORPGの小説が増えている中で、ネットの恋愛をテーマにライトノベルの要素を組み合わせていった小説はなかなか少ないように思いました。この物語はどう着想されたのですか?

「まず、そういった物語はあまりないなと思ったことと、あとは実際にいくつかSNSを試してみて、親和性が低いわけではないことに気づいたんです。そこから、リアルとネットのギャップという面白さを物語の中心の据えて書き進めるようにしました。なので、ヒロインのアバター探しが物語のメインではなく、ヒロインたちの過去や彼女たちの性格のギャップみたいな部分を一番に楽しんでもらえるように書いていますね」

―今、いくつかSNSを実際にやってみたとお話されましたが、差し支えなければ具体的に教えていただけますか?

「まずは『アメーバピグ』でしょ。『mixi』『Facebook』もやりました。あとは『twitter』や『Google+』も。他にも名前を失念してしまったのですが、7、8サイトくらいでアカウントを作りました」



―他に取材はされたのですか?

「インターネット関連のゲームの開発者に知り合いがいたので、話を聞いたりもしましたね。基本はSNSに潜伏して、この中にどういう人間関係があって…という調査をしばらくの間していました」

―面白い物語を書くために、どういった部分に注意していますか?

「ライトノベルのネタを考える上ではそれが新しいアイデアか、ということと、あとは自分の得意、不得意を考えますね」

―伏見さんが思う、自分の得意なところはどういうものだと考えていますか?

「ドタバタギャグだと思うのですが、本人は真面目にやっているのだけれど、やり過ぎてしまって、結果それがギャグになっているというような感じだと思います。今回の主人公の翔も思い込みがすごい男で、そのために一直線に走り過ぎてしまい、ヒロインや読者の方から、ツッコミを入れられまくるキャラになっています」

―本作の主人公の翔には、自分自身を投影されているのですか?

「今の自分というよりも、学生の頃の、よりピュアだった頃の自分の気持ちを爆発させる形で投影しているかも知れませんね」

―本作の舞台の一つである「ピュアランド」はかなり飛んでいる設定であるように思ったのですが、この「ピュアランド」の設定を考える上で苦心した部分を教えてください。

「いろんなSNSやウェブサイトごとにコンセプトがありますが、じゃあ翔がつくる『ピュアランド』ならばどんな特徴があるのか、という部分を突き詰めて考えています。
翔はとりあえず女の子にモテたいのではなく、人生でただ一人だけの運命の恋人、ソウル・ラヴァーを探しているわけですから、そんな素敵な女の子を探し出すにふさわしいロマンチックな場所、というところから『ピュアランド』の設定を詰めていきました」

―その部分は、完全に翔になりきって考えた。

「そうですね。『俺は純愛を極めようとしているんだ!』みたいな(笑)。極めるためにはこんなサイトや設定が必要なんだ!と」


■「リア充」って一体どういう人たち!?

―本作では翔をはじめ、主人公格としては女性キャラクターが3人、アバターを含めると6人。さらには主人公のリアルでの友人である歩貴など、さまざまなキャラクターが登場しますが、どのようにキャラクターを作っていくのですか?

「まずはセリフを書いて、なんとなく合わないなと思ったら違うセリフを言わせてみたりしているうちに特徴的なセリフが出てきて、いけそうだなと思ったら、そこから作り込んでいく感じですね。リアルとネットでの性格のギャップという部分に関していうと、このヒロインにはどういう過去があって、そこからこういう表裏の性格が生まれた、というようなことを考えながら作っています」

―翔の「ピュアランド」でのアバターの一つに「メシア」という存在があります。これは、いわゆる管理者特権といいますか、参加しているアバターたちについて、その正体は分からないものの、いろいろなことを知ることができてしまう「神の立場」にいます。実際に伏見さんがそういった立場になったら、女性のどんなことを知りたいですか?

「一番知りたいのは…やっぱり女の子の純情さですかね」

―純情な心、ですか。

「みんな、実は恥ずかしくて表に出せていないんじゃないか、と。男でも真面目で純情で繊細な部分ってなかなか出しにくいところがありますし、それは女の子も男とは違った形で持っているんじゃないかなと思いますね」



―確かに翔たちの年齢の頃って、そういう気持ちを持っていたと思いますね。女の子の本心を聞いてみたいというか。

「そうですよね。女の子と接するのに慣れていないと、たとえば放課後の掃除で一緒に教室に残っているとき、『何これ、話しかけないといけないの?』みたいに思ってしまいますよね(笑)」

―そうなると挙動不審になってしまったり(笑)。どういう言葉をかけていいのか分からないんですよね。でも、翔がネットの中ではいきなりチャラい言葉を女の子に使っているのを読んで、これはなかなかすごいな、と。

「翔の場合はテンパリすぎちゃって、普段絶対に言わないように意識している言葉が逆に出ちゃうみたいな(笑)」

―本作には「リア充」という言葉が出てきますが、伏見さんは「リア充」という言葉をどう考えていますか?

「一昔前だと、『リア充』という言葉を知らない人こそがリア充だなと思っていたのですが、今は日常会話にも浸透してきてしまっているので、難しいですね。ただ、翔にとっては、リアルを楽しんでいる人は全員リア充なんですね」

―本作では、翔が渚に対して「リア充」と言っていますね。

「渚というヒロインは真面目で良い子なんだけど、翔は渚がリア充で、イコール『遊びまくっている、不潔だ』と思っていて、渚を目の敵にしているんですね。でも、渚は翔のことを怒りながらも大事に思っているという。
リア充がみんな、不純異性交遊をしているわけではなくて、そこは単純に美紅と翔が勝手に妄想しているだけで、渚は『それは誤解だ』と思っているのですが、ちゃんと伝えられなくて…というところが2巻で書かれます。2巻は渚にもしっかり喋らせる感じで今、頑張って書いています」

担当編集「2巻は3月1日に発売を予定していて、イラストレーターの仁村有志さんには、水泳部で頑張っている競泳水着を着た渚のイラストを描いてもらっているところです」

「いいですね、競泳水着(笑)」


■物語は波乱の1巻から、さらに大波乱の2巻へ!

―伏見さんと担当編集さんの仕事の仕方について教えていただきたいのですが、どのように物語を創り上げていくのですか?

担当編集「基本的には、まず作家さんにはこういう話を書きたいというネタをいくつか出してもらって、編集部内の会議で『こういうネタはどうですか』と提案します。そこで、『アリ』だということになったら、それを持ち帰って作家さんと膨らませていく段階に入ります。
本作はネットが中心の物語になるので、そこで上手く使えそうなネタを探しましょうというやりとりを何度かしつつ、具体的に物語の中に落としこんでいく形で伏見さんの方からアイデアを出してもらっていくのですが、そのときは雑談レベルで他の編集の意見も聞いて、伏見さんにフィードバックしながら詰めていく感じですね」

「そうですね。編集部の会議などで意見をいただけると、こちらとしてもありがたいです。いろいろな人の視点が入っているので、大変助かっています」

―ここからは『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』の内容からは離れてお話をうかがっていきたいと思います。まず、伏見さんがラノベ作家を志したきっかけから教えて頂けないでしょうか。

「僕はデビュー前に働きながら執筆活動をしていて、いろいろな出版社に投稿していたのですが、その頃は大人向けから児童向けまでいろいろ書いていたんですね。その中で角川書店のスニーカー大賞の奨励賞を受賞しまして、それが決定打になったという感じです。ただ、今にして思えば、高校の頃の友だちのお兄さんがラノベ大好きな人で、本棚にいろいろなシリーズがあってそれを夢中になって読んでいたので、その影響は強く受けているかも知れないですね」

―そのときに読んだライトノベルで印象に残っている作品はありますか?

「秋田禎信さんの『魔術士オーフェン』とか、冴木忍さんとか、安井健太郎さんの『ラグナロク』…。あとは竹河聖先生の『風の大陸』も読んだなあ」

―ファンタジー系の小説がお好きなんですか?

「もちろん好きですが、それに限らずいろいろ読みます。文学書から美少女ゲームまで、興味あったら何でも手を伸ばしますね」

―では、伏見さんが影響を受けた3冊を教えていただけますか?

「まずは三田誠さんの『レンタルマギカ』。そして、吉行淳之介の『夕暮まで』。あと3つめですが、本じゃなくてゲームでいいですか? 僕がこっちの世界に入る一番のきっかけとなった『To Heart』」

―幅広いですね(笑)。ちょっと作品の話に戻りますが、この『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』に出てくる6人の女性キャラクター。これは現実と「ピュアランド」合わせて6人になりますが、この中で一人選ぶとしたら、どの女の子を選びますか?

「難しいですね……」

担当編集「『To Heart』のときは誰派だったんですか?」

「マルチ派です!」

担当編集「即答ですね(笑)」

「即答ですよ! 今ここでマルチのすばらしさについて改めて語りたいくらいです(笑)」

―また、本作の表紙はゲーム雑誌をモチーフにしていると聞いたのですが…。

担当編集「イラストを担当して下さっている仁村有志さんを紹介してくれたのが、弊社の雑誌『コンプティーク』編集部の人なんですね。
仁村さんはALcotさんに所属されていて、最近では原画家さんがライトノベルのイラストを描くケースも多くなってきていますが、伏見さんのデビュー2作目にふさわしいのはこの人しかいない!と思い、仁村さんにお願いをしました。
作品の世界観がリアルとソーシャルサービスを行き来するということで、デザインもゲーム誌っぽく作ってみました」

―では、今後の本作の展開について、もしお話いただけるのであれば教えてください。

「今は2巻を執筆中です。1巻では、とある女性の『ピュアランド』での正体に迫りましたが、2巻では1巻とは違った構成で別の女性キャラの正体に迫っています。1巻を読んだ方は、あのキャラはネットではこの人なんじゃないか…といろいろ考えていらっしゃるかも知れませんが、そうとは限らないかも知れませんよ」

―私は1巻でも充分驚かされたので、次回はまったく予測不可能です(笑)。では最後に、読者の皆様にメッセージをお願いします。

「作中のリアル側の女の子たちでいえば、美紅や渚や雪奈の3人がいますが、それぞれ甲乙つけがたい魅力を持っています。彼女たちをかわいいなと思ったり、ネットでの意外な姿にびっくりしたり、楽しんでいただけたら幸いです」



―ありがとうございました!


■取材後記
今回は「シリーズ開始の瞬間」というコンセプトを持って取材をさせていただきましたが、担当編集の方とどのように作品を創り上げていくのか、どのようにしてキャラクター作りをしていくのかなど、『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』というライトノベルが生まれていく瞬間を垣間見ることができました。
しかし、この作品、主人公の翔の中二病っぷりが半端じゃなく、その上に周囲のキャラクターたちも見事に斜め上を行く奴らばかり。「ピュアランド」の設定も面白い。そして何よりもラストは「え、そう来るの!?」と思わず声をあげてしまいました(煽っているつもりは一切ありません。ネタバレにならない程度に伝えたいのです)。2巻は3月1日発売とのこと。楽しみに待ちましょう!
(金井元貴)

■『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』
著者:伏見ひろゆき イラスト:仁村有志 定価(税込):630円 角川スニーカー文庫


伏見ひろゆきさんプロフィール
第13回スニーカー大賞にて『十三歳の郵便法師』で奨励賞を受賞。『R‐15』でデビュー。

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